原爆ドームのほのかな灯り

先日18時過ぎから友人3人と一緒に広島100メートル道路のイルミネーションを見ながら、平和公園まで歩き、宮島と一緒に世界遺産に認定されて20周年を迎える今年から原爆ドームのイルミネーションが点灯しているから、その様子を見に行ってみました。夜の人気のない静寂の平和公園を友人と喋りながら歩き、周囲の青い照明に浮き上がったドームに微かに灯りが見えていました。ドームに取り付けるイルミネーションの賛否問題があったようですが、私個人的には、この程度の灯りは、許される気がしました。過ってこの原爆ドームは産業奨励館と言われて賑わっていたそうですが、今は亡き母方の祖父はこの場所で高山植物愛好家の人達と集い、当時日本中の高山植物の新種を見つけては、お互いに披露していた社交の場でもあったと、聞いていましたから、廃墟になったこの場所だけど、私に取っては、母との懐かしい会話の場所なのです。そこにほのかな灯りがあったことは、ほのぼのとした、温かい気持ちになりました。母は原爆で今までの生活が全て変わって、私達幼子の養育と生活設計には人知れず苦労したようですが、この原爆ドームを見上げる母は、また違った懐かしい思いでに繋がったようです。比婆郡庄原にある道後山に祖父と良く登山しては、高山植物を採取して、母が言うには、スズランを中国山地で最初に発見したのは祖父だったと自慢げに話していましたが、苦労しながら生活していても、この会話は、母にとって、心の灯りだったように思いました。そこから、おりずるタワーに入りましたが、19時過ぎていましたから、13階だけが夜の広島の町を一望できる開放された場所でした。高い所から平和公園を見て、原爆ドームを見ていると、やはりわずかな灯りは、私の心に暖かい何かを感じる瞬間でした。ちなみに19時から21までは入館料が1人1000円でした。