原爆小頭症と言う胎内被爆者

 先日 胎内被爆者の会で「原爆小頭症」についての研修会があり、広島文化学園大学客員教授村上須賀子女史を講師に呼んでの会でした。
テーマは『原爆小頭症患者と私』彼女と小頭症患者の家族との関わりから、ソーシャルワーカーとしての職務の立場で、原爆小頭症患者と被爆者でもある母親達の支援の問題点、出生してからも、長く置き去りにされていた支援対策、家族を取り巻く世間の冷たい風あたりと、その冷たい風の真っただ中に生きて行かなければならなかった、小頭症患者の受難な人生、人としての慶びや楽しみも味わえずに幼くしてこの世から去っていった人達、私達同じ胎内被爆者として、もっと早くに関心を持つべきだったと悔やまれます。かと言って彼らの心のケアーを、担う事が出来ていただろうかと自問自答しても、他人事の様な、無責任な解答しかできないだろう。とても理解するなど到底無理だろうけれど、今から、少しづつでも、彼らとの距離を縮めていきたいと思います。原爆を投下したアメリカ合衆国は投下する以前から投下距離、胎児の日数に因る胎内被爆者の脳に影響があるデーターが出ていたにも拘らず、黙認して、当時のABCCの研究材料として確信を得ていた事実。その後の日本政府の戦争被害者に対する対応など、戦争と言う国家間の争いの陰に、国を支えている国民の被害はどこまで忍従しなければならないのでしょうか。これからの時代は平和的利用による核開発も一つ間違えると核の脅威と表裏一体の危険な生活をしていくようになりました。人間だけの問題以上に地球環境も一変していく実感をもっと持って生きていく事が、今生きて居る私達の義務だと思います。