胎内被爆者の会員退会の連絡を受けて

先日三村様から、胎内被爆者の会員が一人退会を申し出られたと言う電話を受け取って、理由をお聞きしたくて先方に電話をしたら、本人は唯、胎内被爆者の会と言う政治の色を出さない小さな会だと、思って入会したが、広島から遠くに離れているし、本人の思いと違っていたから決心したそうです。埼玉県所沢市にお住いの方で、「被爆70年に思う」にも協力して頂き、閉め切り間際まで、編集を続けた記憶が残っている方だから、とても残念です。入会された方達は其々のお気持ちを持って、中には政治に関係した行動をとられる方達の行動内容を発表されたり、唯、単に胎内被爆者の被爆の後遺症を心配しながら生きて来て、古希を迎えられた今、お互いの消息を手に取りながら、『輪』
の中の自分を自覚出来る慶びを感じている人と。様々な思いを持っています。
 被爆70年経って、戦後の親や家族の苦労を肌身に感じて生きて来た今日、日本は急成長して、戦後はもう昔の出来事で、世界に向けて立派に立ち直った国だと自負していますが、直接原爆を受けた人、被爆2世の方、胎内被爆者達はまだ終戦を迎えていないのです。だから毎年1人づつ他界していく同胞の安否を知り、被爆者故の世間の冷たい風を感じ乍ら生きて来た者同士、お互いに少しでも心の支えになればと思いながら、残り少なくなっ人生を語り続けていけたらと願っています。