今年の夏の思いで

朝、10時過ぎに自転車で走っていると、赤とんぼの群れに会い、呉市中心部に、珍しい光景とばかり、一瞬、自転車を止めて見つめていました。ここ数日、呉も台風10号の影響で気温も少し下がり、青空が見えたと思ったら、瞬く間に分厚い雲に覆われて風雨になり、少し経つと青空が覗くと言った状態ですが、急に秋を感じる様になりました。東日本、東北方面は台風10号の上陸で色々警戒情報が出ていますが、5年前の大災害で、まだ復旧工事が進んでない場所が方々にあるようで、河川の決壊や満潮時の高潮警戒等々、被害が最小限度に収まる事を祈っています。雪深い東北地方の人達は、我慢強く、仕方がないと言う諦めの境地になる性格の人達が沢山居られるようだから、返って心配になります。町の復旧、復興が一日も早く進む事が、住民の立ち直られる夢(希望)に思います。
夢千代日記』の物語は吉永小百合主演でNHKテレビ放送高視聴率だったようですが、実を言うと、当時、私(37歳位)は、時たまその番組を見る程度で、内容も胎内被爆者の物語なんだなと言う程度にしか、記憶していなかったのですが、長崎原爆遺跡を観て回った夜の親睦会を兼ねたビアーガーデンでの溝浦様からのお話しで、夢千代日記の主演だった吉永小百合に、交通費、諸経費全て自前で、我々胎内被爆者の会に出席して貰われないか?と言う軽い話から、私なりに、もっと『夢千代日記』を知る必要に駆られて、本を借りて読みましたが、小説の生まれた解説の部分に、すごく感動しました。敗戦当時、軍国少年だった作者の死生観が、「地球の終焉」と感じた荒野になった広島の光景から、敗戦国家に取り残された弱者の生きざまを描かずにおられなかった、人生のもがき(ジレンマ)を感じました。今月第2火曜日に長崎平和式典に参列して、原爆遺跡を訪ねて歩き3週間経ちました。明日を過ぎると、月が変わります。今年の夏の思いでは、また、私にとっては、とても意義深い心に残る思いでになりました。この様な体験が出来た事に、胎内被爆者の会の方達の温かい思いやりに感謝して、この会に入って良かったと思続けています。