中国新聞朝刊『天風録』

9月4日中国新聞朝刊<天風録>記事を書き写しました。「うんと幸せにならんばいかん」。長崎弁で学生服姿の浩二が力を込める。「僕と一緒に原爆で死んだ何万人もの人達の願いなんだ」と被爆死した医学生の息子が母の前に現れる映画『母と暮せば』に、そんなセリフがある。浩二のモデルになったのは、元長崎大学長の土山秀夫様と言う。実際は被爆死を免れて、戦後ずっと被爆者医療や核廃絶平和運動に尽くされた。まさにナガサキに生涯を奉げた人だが、おととい訃報が届いた。被爆の惨状や医学生の体験を、山田洋二監督が土山様に聞き、浩二の人物像を膨らませた。きっと母思いの優しさも。
 長崎の医学生だった土山秀夫さんはあの日(1945年8月9日)佐賀に母を見舞っていた。翌日、救護の為に戻り、入市被爆した。核の傘からの脱却や核兵器禁止条約の必要性を理論的に唱えた。熱い情も胸の奥に抱いていた。兄一家4人をはじめ原爆に命を奪われた人々の無念が活動の原動力だったのだろう。核をなくし、幸せにならんばいかんーと。北東アジア非核化も訴えたが、北朝鮮がまた核実験をした。非難する一方で、米国には自制を求めなければならない。土山様の遺志を継ぎ、粘り強く理論と感情の両輪で歩もう。・・・・・心に響く記事だったから、ブログに残して置きたい一説です。今日は昼過ぎに雨が降り出して、気温もぐっと下がり、先月までの残暑が終わり、此のまま秋祭りを迎える事になるのかと、ホットした反面、無性に秋特有の哀愁を感じます。